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とうほく食育実践協会

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環境と美味しさと

10月11日、5回目の食育コンダクター養成講座が行われました。

5回目は生産現場1、という事で「水産」の内容だったのですが
牡蠣を扱う丸壽阿部商店の専務である
阿部壽一さんに講義をして頂きました。

環境と美味しさと_b0297136_11283040.jpg
阿部さんは私達協会とも深く関わって下さり、
協会で行っているイベントの「食育フェス」は
「共生会」という生産者の団体から助成を得ているのですが
その共生会の副会長でもあり、食育実践協会の理事でもあり、
何かと私達をサポートし、助けて下さっています。

さて、宮城県の牡蠣は世界に誇れる牡蠣である事をご存知でしょうか?

宮城県に住んでいると美味しい牡蠣が当たり前のように
あるのですが、それがいかにすごい事なのか、そして
宮城県の牡蠣が「種ガキ」として日本全国に出荷
されていると聞いたら、きっと驚かれる方も多いのではないかと思います。

宮城県の美味しい牡蠣を育てるためにも
沢山の工夫がされており、プランクトンの少ない
宮城県の海には牡蠣一個一個に栄養を行きわたらせる
ように育てていくのだそう。

沢山の手間暇をかけ、細菌やノロウィルス、
放射性物質や貝毒検査などの検査も
しっかりと行われて出荷される牡蠣なのですが、
(こちらの検査がまた、結構なお値段なのだと知り驚きました)
私達の元へ届くまでの道のりには沢山の行程が
踏まれている事を、受講者の皆さんは知る事が出来たのではないでしょうか。

さて、話はこれだけではありません。

宮城県は東日本大震災の大津波による影響で
集落や施設が壊滅的な被害を受け、
牡蠣の生産者やワカメの生産者が
半分以下にまで激減してしまったそうです。

その結果、牡蠣の生産量も年間4千トン(剥き身)
あったものが震災で500トンまで激減したそうです。
(現在は1千700トンまで生産が回復)

が、ここで新たなチャレンジが始まります。

それは環境に配慮した養殖を行う事。

震災前は過密養殖していた場所の間隔を開け、
施設台数を震災前の3分の1までに削減したそうです。

これはすなわち「生産量が減る」という事を意味するため、
生産者からの反対も強かったそうなのですが
行った結果、品質が上がり、そのお陰で
所得も向上したそうです。(労働時間も短縮されたとの事)

更に2016年4月には宮城県志津川支所戸倉牡蠣部会の
「戸倉っこかき」が持続可能な漁業が認められ
日本初のASC認証を取得。
(ASC認証:養殖水産物に対するエコラベルの事)

更にはFSC森林認証も取得し
(FSC認証:適切な森林管理を認証する制度)
海と森の認証をもった唯一の自治体として
ラムサール条約に登録されているそうです!

これは宮城県の誇りです。

綺麗な海は森の管理が欠かせません。

山や森の栄養分が海に流れて行くからです。

これからも末永く
自然の恵みを頂き続けるという事は
責任をもってその環境を守っていく必要があります。

それは生産者だけの話ではなく、
私達1人1人にも責任があるという事です。

生産者の方々は本当に頑張っていて
その頑張りは私達が想像するよりもずっとずっと
ハードな事が多く(養成講座でお話を聞けば聞くほど
私は頭が下がります)、では私達に何が出来るのかと言えば
頑張っている生産者の方から買う位しか出来ないけれど
でも改めてここで考えてほしいのです。

「あなたは誰から物を買いますか?」

買うという行為はその先にある生産者を
応援するという行為です。

美味しいだけではなく環境にも配慮している牡蠣、
応援したいですね。











by touhoku_syokuiku | 2019-10-19 12:58 | 食育コンダクター養成講座 初級