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とうほく食育実践協会

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2019年 10月 29日 ( 1 )

豊かな食を支えている人々の生活

10月25日、6回目となる食育コンダクター養成講座が行われました。

今回は輸入についての講義を行い、
オルター・トレード・ジャパン広報課
小林和夫さんに東京から来て頂き
お話しをして下さいました。

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毎年来て頂き講義をして頂いているのですが、
本当に1人でも多くの方々に聞いて頂きたい内容です。

オルター・トレード・ジャパン(ATJ)は
バナナやエビ、コーヒーなどの食べ物の交易を行なう
会社です。

風土に根ざした作物をつくる小規模な生産者を守り、育て、
そして「つくる人」にも「食べる人」にも安心であり
環境に負荷を与えない事を前提にしているそうです。
(詳しくはオルター・トレード・ジャパンのウェブサイトをチェックして下さいね!)

講義ではバナナとエビのお話をして下さったのですが、
日本を始め欧米で日常的に食べる事のできるバナナの
「作り手」側の話は考えさせられます。

本来日本でバナナが育つのはごくわずかな場所のみです。

つまりバナナは日本では日常的に食べる事の出来ないもの
なのですが、でもどうしてこんなに手軽に(価格も含め)
たべられるのでしょう?

悲しいかな、その裏側には過酷な労働を強いられて
いる方々の姿があります。

日本や欧米で輸入され、食べられているバナナの種類は
1種類(グローバルバナナ(キャベンディッシュ種))なのだそうですが、
本来バナナの種類(ローカルバナナ)というのは300種類位あるそうです。

1種類だけを広大な敷地で育てるため
(6800ヘクタール=山手線全てにバナナを植えている位の敷地!)
病気になってしまったものならば、一気に広がってしまい、
そのリスクを減らすために沢山の農薬が使われているという現状があります。

広大な敷地のため空中散布は必須、バナナを守るための
袋自体にも丁寧に殺虫剤が練り込まれています。

日本に輸入されて来る頃には農薬もぐっと
少なくなってくるそうなのですが・・・。

皆さん、ここで考えてほしいのです。

日本に輸入される頃には農薬が減っているから
大丈夫とかそういう話ではなく、大量の農薬に
生活を脅かされる人たちがいる、という現実に
私達は向き合わなくてはならないと思います。



ただ、これは本当に難しい問題で
大手の企業と契約し、過酷な労働であるにしろ
現地の方々の生活を担っている事も事実です。

私達が美味しいバナナやエビ、チョコレートやコーヒーを
手軽に頂けるのは間違いなく、過酷な労働を
している方々のお陰です。

では私達はその方々のために何ができるのでしょう?

もし私達が、作り手も消費者も安心安全で
しかも環境に負荷もなく、そして正当な価格で
商品を望み、求め、それが広がりを見せたのなら
企業は動くと思いませんか?


さて、オルター・トレード・ジャパンの扱っているバナナについて。

オルター・トレード・ジャパンのバナナはバランゴンバナナと言って、
ローカルバナナです。

バナナの生産国(主にフィリピン)では、バナナは
果物ではなく食事として頂く事が多く、上げたり蒸したりと
加工される事が多く、日常には欠かせないもののようです。

バランゴンバナナは、山に生えていて
現地の方はあまり食べない種類なのだそうですが
オルター・トレード・ジャパンでは
あえてそういう品種を選んだそうです。

なぜなら現地の方々がよく食べる品種を買ってしまったら
その方たちの分が無くなってしまうからです。

だから「おすそ分けをして頂く」という感覚で
現地の方々があまり食べないバナナを買っている、
と小林さんはおっしゃっていました。

しかも山の上に自生しているバナナなので
農薬も使っていません!

バランゴンバナナは普通に売られているバナナに比べると
少し値段はします。(スーパーで売られているバナナが
安すぎるのです)

それでも安全性が高く、環境にも負荷をかけず、現地の方々の生活も
守る事が出来、(現地の方々は、子供達に満足な食事と教育を
望んでます)本来のフェアなやり取りができるのなら
それは決して高いと言えるのでしょうか?

消費行動には責任があると言っても過言ではありません。


さて、今回はエビの話もして頂いたのですが、
日本人はエビが大好き!(私も好きです)
な人が多いのですが、輸入の養殖海老は「薬漬け」
「環境破壊の産物」と言われてきたそうです。

その理由としては狭い池で高密度に養殖し
生産効率を上げるため、海老がストレスを感じ
病気になりやすくなるそうです。

それを防ぐために抗生物質の餌を大量に与え
その結果、森林伐採や水質汚染などの環境汚染にも
残念ながら繋がってしまっているとの事。

そこで始まったのがインドネシアのジャワ島東部の
グレシック、という場所で行われている粗放養殖。

なんとジャワ島東部で300年近く前から行われてきた
魚養殖の方法で、それをエビに応用したそうです。

特徴としては持続可能な生産活動である事。

そして餌は与えないそうです!
その代わり、餌となるプランクトンが発生するように
環境を整えていくため(自然の池に近い環境を作る)
環境負荷も非常に少ない上、海老がしっかり運動を
し非常に美味しいエビが育つという循環が出来ているそう。

しかも現地で製造するため、冷凍は1回だけ(スーパーで売られている
多くのエビは1度解凍されて再び冷凍されています)。

そして黒変防止剤や保水剤は一切使用しないため
安全性が高く、エビ本来の旨味や食感を大切にしている
との事なのですが、事実とっても味が濃くて美味しいのですよ!


さて、私達は真剣に考えていかなくてはなりません。

経済優先である今、その考え方では
どこかにしわ寄せがきてしまいます。

確かに経済的な事は大切です。

ただ、しわ寄せの結果、それは遅かれ早かれ
形を変えて私達に戻って来ることも忘れてはいけない事だと思います。

人を守る事は環境を守る事でもあり、その逆も然り。

さて、小さな1歩は何から始めましょうか?












by touhoku_syokuiku | 2019-10-29 11:27 | 食育コンダクター養成講座 初級