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とうほく食育実践協会

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2019年 11月 09日 ( 1 )

和食の「命」といえば

11月8日、9回目の食育コンダクター養成講座が行われました。

今回は日本人にとって、そして日本の食文化にとって
無くてはならない「だし」の話。

だしの世界は地域によっても使われる素材が違ったり
「取り方」によって風味やが変わったりと
とても奥が深く、面白くて美味しい世界だと思うのですが
その魅力をたっぷりと語って下さったのがこの方。

「まるご食品」の専務、濱口利文さんです。

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どんどん時短・短縮されていく家庭料理に比例して増えていく
化学調味料や、簡単に味付けできる様々なバリエーションの「〇〇の素」。

それはそれで便利なのかもしれませんが、
私達協会は「全てが同じ味」になるものではなく
「それぞれの素材の美味しさ」を大切にし、
「各家庭の味」をもっと大切にしてほしいという思いがあります。

そんな思いから、だしの話は欠くことの出来ない
大切なものだと思っています。
(全ての講座が欠く事のできない大切な講座なのですが(笑))

しかも!
今回は美味しいだしの取り方は勿論の事
色んな出汁の試飲が出来たという何とも贅沢な講座。

濱口さん、本当にありがとうございました!

さて、私達が「美味しい」と感じるものには
「旨味」というものが必ずといって良いほど
食材の奥に隠れているのですが、
その「旨味成分」がぎゅっと濃縮されたものが「だし」と
言われている素材です。

この「だし」をとるためだけの素材を作って使って
いるのは和食だけだそうです。

さて、出汁のトップバッターと言えば・・・

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そう!昆布!

昆布にも色んな種類があるそうなのですが、
だしに向いているのは肉厚で繊維質の多い昆布だそうです。

昆布をたっぷりと使って60度のお湯で
じっくりと旨味成分を抽出していくと・・・
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昆布だしの出来上がりなのですが、色もほんのり昆布色!

それぞれの出汁の違いを感じてもらうため
濃く抽出しているのですが、ほんのり甘くて
昆布の香りがなんとも良いのです。。。

昆布は収穫して干して出荷、ではなく
美味しさを引き出すために蔵で1年以上寝かせる事もあるそう。

さて、お次は身近な素材のかつお節。

だしは勿論の事、お浸しに和えたりと
料理にも幅広く使えますね。

このかつお節なのですが、2種類ある事をご存知でしょうか?

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こちらと・・・

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こちら。

色が違いますね。

1枚目の写真はカビ付け前、
2枚目写真の方はカビ付け後のかつお節。

どちらも「削り節」に使われるのですが、
風味などに違いがあるそうです。
(ちなみにカビ付けされた方のかつお節を
「本枯れ」と言い、時間も手間もこちらの方がかかるそうです。)

そして上の写真を薄く削ったものがお馴染みのかつお節。
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そして贅沢にこのかつお節を使って取った出汁は
思わずため息が出る美味しさ!

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金色~!

他にもさば削りぶしに(これまた美味しい。力強い味です)
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そしてまぐろ削り節も!(とても上品な味。京都の料亭でよく使われるそうです)

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それぞれの味も違うし色も違う。
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削り節や煮干しなど、いわゆる「だしの素になる素材」は、
生の時はそれ程旨味成分があるわけではないそうです。

命が無くなったと同時に体内の酵素の働きで
タンパク質分解が起こり、旨味成分を増幅させるため
旨味成分が生の時よりもずっと高まる。

そこには昔ながらの知恵が詰まっていて
特に日本の場合はその旨味を微生物を使って更に高めたり。


今は旨味成分だけを濃縮させた化学調味料というものがあり、
とても手軽に使う事ができます。

天然素材の「だしの旨味」と科学調味料の「旨味」。

天然の素材の魅力を濱口さんはこう言っていました。

「化学調味料の旨味は旨味であるけれども、1つの同じ味。

対して天然の出汁の素材は色々あって、旨味成分が
高い事は勿論の事ですが、それだけではなく
「素材そのものの味と香り」も感じる事ができる。」


なるほど・・・。

昆布は昆布の味、削り節はそれぞれの特徴を持った味、
きのこ類は旨味だけではなくきのこの味をともなった
旨味と香り、旨味成分の高い野菜だって種類が変われば
同じ味は1つもない。

素材の中に含まれる「旨味」は組み合わせる事によって、
その季節によって、その素材の状態によって変化し、
それを楽しむことができたのなら
食卓はぐっと豊になるのではないかな、と
お話しを聞いて思いました。

日本の食文化やだしの素材を作る技術、
それらを守って繋いでいく一番の方法は
各家庭で日常的に「素材から「だし」を取って使う」事
なのではないでしょうか。

もし時間が無い時はこんな便利なものもありますよ。
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心も身体も喜ぶ「だし」の味、
大切にしていきたいですね。













by touhoku_syokuiku | 2019-11-09 14:30 | 食育コンダクター養成講座 初級