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とうほく食育実践協会

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豊かな食を支えている人々の生活

10月25日、6回目となる食育コンダクター養成講座が行われました。

今回は輸入についての講義を行い、
オルター・トレード・ジャパン広報課
小林和夫さんに東京から来て頂き
お話しをして下さいました。

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毎年来て頂き講義をして頂いているのですが、
本当に1人でも多くの方々に聞いて頂きたい内容です。

オルター・トレード・ジャパン(ATJ)は
バナナやエビ、コーヒーなどの食べ物の交易を行なう
会社です。

風土に根ざした作物をつくる小規模な生産者を守り、育て、
そして「つくる人」にも「食べる人」にも安心であり
環境に負荷を与えない事を前提にしているそうです。
(詳しくはオルター・トレード・ジャパンのウェブサイトをチェックして下さいね!)

講義ではバナナとエビのお話をして下さったのですが、
日本を始め欧米で日常的に食べる事のできるバナナの
「作り手」側の話は考えさせられます。

本来日本でバナナが育つのはごくわずかな場所のみです。

つまりバナナは日本では日常的に食べる事の出来ないもの
なのですが、でもどうしてこんなに手軽に(価格も含め)
たべられるのでしょう?

悲しいかな、その裏側には過酷な労働を強いられて
いる方々の姿があります。

日本や欧米で輸入され、食べられているバナナの種類は
1種類(グローバルバナナ(キャベンディッシュ種))なのだそうですが、
本来バナナの種類(ローカルバナナ)というのは300種類位あるそうです。

1種類だけを広大な敷地で育てるため
(6800ヘクタール=山手線全てにバナナを植えている位の敷地!)
病気になってしまったものならば、一気に広がってしまい、
そのリスクを減らすために沢山の農薬が使われているという現状があります。

広大な敷地のため空中散布は必須、バナナを守るための
袋自体にも丁寧に殺虫剤が練り込まれています。

日本に輸入されて来る頃には農薬もぐっと
少なくなってくるそうなのですが・・・。

皆さん、ここで考えてほしいのです。

日本に輸入される頃には農薬が減っているから
大丈夫とかそういう話ではなく、大量の農薬に
生活を脅かされる人たちがいる、という現実に
私達は向き合わなくてはならないと思います。



ただ、これは本当に難しい問題で
大手の企業と契約し、過酷な労働であるにしろ
現地の方々の生活を担っている事も事実です。

私達が美味しいバナナやエビ、チョコレートやコーヒーを
手軽に頂けるのは間違いなく、過酷な労働を
している方々のお陰です。

では私達はその方々のために何ができるのでしょう?

もし私達が、作り手も消費者も安心安全で
しかも環境に負荷もなく、そして正当な価格で
商品を望み、求め、それが広がりを見せたのなら
企業は動くと思いませんか?


さて、オルター・トレード・ジャパンの扱っているバナナについて。

オルター・トレード・ジャパンのバナナはバランゴンバナナと言って、
ローカルバナナです。

バナナの生産国(主にフィリピン)では、バナナは
果物ではなく食事として頂く事が多く、上げたり蒸したりと
加工される事が多く、日常には欠かせないもののようです。

バランゴンバナナは、山に生えていて
現地の方はあまり食べない種類なのだそうですが
オルター・トレード・ジャパンでは
あえてそういう品種を選んだそうです。

なぜなら現地の方々がよく食べる品種を買ってしまったら
その方たちの分が無くなってしまうからです。

だから「おすそ分けをして頂く」という感覚で
現地の方々があまり食べないバナナを買っている、
と小林さんはおっしゃっていました。

しかも山の上に自生しているバナナなので
農薬も使っていません!

バランゴンバナナは普通に売られているバナナに比べると
少し値段はします。(スーパーで売られているバナナが
安すぎるのです)

それでも安全性が高く、環境にも負荷をかけず、現地の方々の生活も
守る事が出来、(現地の方々は、子供達に満足な食事と教育を
望んでます)本来のフェアなやり取りができるのなら
それは決して高いと言えるのでしょうか?

消費行動には責任があると言っても過言ではありません。


さて、今回はエビの話もして頂いたのですが、
日本人はエビが大好き!(私も好きです)
な人が多いのですが、輸入の養殖海老は「薬漬け」
「環境破壊の産物」と言われてきたそうです。

その理由としては狭い池で高密度に養殖し
生産効率を上げるため、海老がストレスを感じ
病気になりやすくなるそうです。

それを防ぐために抗生物質の餌を大量に与え
その結果、森林伐採や水質汚染などの環境汚染にも
残念ながら繋がってしまっているとの事。

そこで始まったのがインドネシアのジャワ島東部の
グレシック、という場所で行われている粗放養殖。

なんとジャワ島東部で300年近く前から行われてきた
魚養殖の方法で、それをエビに応用したそうです。

特徴としては持続可能な生産活動である事。

そして餌は与えないそうです!
その代わり、餌となるプランクトンが発生するように
環境を整えていくため(自然の池に近い環境を作る)
環境負荷も非常に少ない上、海老がしっかり運動を
し非常に美味しいエビが育つという循環が出来ているそう。

しかも現地で製造するため、冷凍は1回だけ(スーパーで売られている
多くのエビは1度解凍されて再び冷凍されています)。

そして黒変防止剤や保水剤は一切使用しないため
安全性が高く、エビ本来の旨味や食感を大切にしている
との事なのですが、事実とっても味が濃くて美味しいのですよ!


さて、私達は真剣に考えていかなくてはなりません。

経済優先である今、その考え方では
どこかにしわ寄せがきてしまいます。

確かに経済的な事は大切です。

ただ、しわ寄せの結果、それは遅かれ早かれ
形を変えて私達に戻って来ることも忘れてはいけない事だと思います。

人を守る事は環境を守る事でもあり、その逆も然り。

さて、小さな1歩は何から始めましょうか?












by touhoku_syokuiku | 2019-10-29 11:27 | 食育コンダクター養成講座 初級

ビューティ企画第2弾 ~彩生舎 お肌の相談会~

先月、新装開店したばかりの店舗「食らぼりとるびぃんず」に企画スペース「らぼ2」ができました。

10月10日この「らぼ2」に、彩生舎の山西宏史さんをお招きし、アロマの基礎知識、製品のこだわり、使い方などを教えて頂きました。


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彩生舎は「ひとにも環境にもやさしい商品開発を提案している企業です。

琵琶湖の水質汚染と環境保全活動を通じて、安心して生活することが出来る「水」の確保をするため、

日本で初めて家庭用逆浸透膜浄水装置の輸入・販売を始めました。

逆浸透膜浄水装置の普及活動の折、肌トラブルでお困りの方々と出会い、

お肌に水分を与えることで健康な素肌の力を蘇らせることを大切にし、化粧品「水の彩」の開発商品化にいたりました。



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水の彩を使ったハンドマッサージでお肌がしっとりすべすべに・・・

出てきた角質のかたまりには一同びっくり!



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彩生舎で企画生産しているアロマ商品は、原産国にこだわり、生産者との信頼関係を大切にし、オーガニック基準を厳守しています。
実際に、商品の特徴や使い方を教えて頂くと使ってみたくなるものばかり・・・
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ブレンドオイルを使ってアロマスプレーを作りました。
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八幡のお店(食らぼりとるびぃんず)に、いろいろな商品のテスターをご用意しています。

商品のお取り寄せもできますので、ぜひご利用ください。





by touhoku_syokuiku | 2019-10-20 13:19 | 食Lab Little Beans

手作りタルトタタンに挑戦!

10月9日に行われた、食育フェス「手作りタルトタタンに挑戦!」のご報告です。

タルトタタンをぜひ手作りしてみたい!ということで、キャンセル待ちが出るほどの申し込みがあり、みなさんの期待に応えるべく、講師の前田みさ子さんが連日まで何度も試作を繰り返し本番を迎えました。


さっそくタルトタタンの生地を作ります

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昨年度の食育コンダクター養成講座を卒業し、スタッフに仲間入りしたばかりの小金澤里美さんが、パイ生地の作り方を教えてくださいました。普段パン教室の講師をされているので、わかりやすい!面白い!

パイ生地は伸ばしてたたんで、冷蔵庫で冷やしておきます。
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そして今回の主役、天童果実同志会の旬のりんご「紅玉」
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15cmの型にたっぷり6個の紅玉を使います
しっかり洗えば皮ごと使えます
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花見糖を煮詰めてカラメルを作ります
いじらず、じーっと待って火を止めるタイミングを見計らいます
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カラメルができたら紅玉を投入
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20分ほど煮詰めるとこんな感じになります
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煮上がった紅玉をきれいに型に詰めて、
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伸ばしたパイ生地をかぶせオーブンへ。
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美味しそうに焼き上がりました!
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各自作ったタルトタタンはお持ち帰りいただいて、
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試食は生クリームと千秋を添えていただきました
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今回の使用した食材のご紹介。
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天童果実同志会の生産者のみなさんは、山形県天童市山口周辺でネオニコチノイド系農薬を使わず、先祖から受け継いだりんごの木を大切に守りながら、人にも環境にもできるだけ負荷をかけない果実栽培を行っている団体です。
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2013年、同志会の会長の片桐完一さんが「自分たちのりんごに新しい魅力を作りたい、若い世代の先頭に立って挑戦しよう」と、自らの園地の一区画でネオニコチノイド系農薬不使用の試験栽培を実施しました。
そして完一さんの取り組みは徐々に同志会全員に広がり、現在では12名のメンバー(うち5名は40代以下)がしっかりと引き継いでくれています。
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同志会の園地で今問題になっているのは、黒星病という病害。
果実に黒い斑点ができたり、葉が落葉したりと、感染するとりんごの味や翌年の生育に影響します。

有機JAS適合農薬で対策をしていますが、効果的な対策はまだわからないのが現状で、
自分の園地の状況を把握し、適切な時期に防除すること、
そして薬に頼るだけでなく、りんごの木を強く育てることにも尽力しています。

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規格外のサイズのものや、多少黒い斑点があるような、出荷したら安い値段しかつかなくなってしまうりんごも、味に変わりはありません。

とうほく食育実践協会の店舗(食らぼりとるびぃんず)で随時入荷し販売しておりますので、ぜひお立ち寄りください。



そして、恒例の食育クイズで知っているようで知らないにりんごの豆知識をインプット!

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今回、リンゴを仕入れに初めて天童果実同志会の片桐完一さんの園地にお邪魔しました。
りんご、柿、ぶどう、ラ・フランス、梅、・・・とても気持ちの良い園地で、何度でも足を運びたくなるような環境でした。

11月初旬には完一さんの柿を使った、干し柿作りも企画しています!





by touhoku_syokuiku | 2019-10-20 12:24 | 食育フェス

環境と美味しさと

10月11日、5回目の食育コンダクター養成講座が行われました。

5回目は生産現場1、という事で「水産」の内容だったのですが
牡蠣を扱う丸壽阿部商店の専務である
阿部壽一さんに講義をして頂きました。

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阿部さんは私達協会とも深く関わって下さり、
協会で行っているイベントの「食育フェス」は
「共生会」という生産者の団体から助成を得ているのですが
その共生会の副会長でもあり、食育実践協会の理事でもあり、
何かと私達をサポートし、助けて下さっています。

さて、宮城県の牡蠣は世界に誇れる牡蠣である事をご存知でしょうか?

宮城県に住んでいると美味しい牡蠣が当たり前のように
あるのですが、それがいかにすごい事なのか、そして
宮城県の牡蠣が「種ガキ」として日本全国に出荷
されていると聞いたら、きっと驚かれる方も多いのではないかと思います。

宮城県の美味しい牡蠣を育てるためにも
沢山の工夫がされており、プランクトンの少ない
宮城県の海には牡蠣一個一個に栄養を行きわたらせる
ように育てていくのだそう。

沢山の手間暇をかけ、細菌やノロウィルス、
放射性物質や貝毒検査などの検査も
しっかりと行われて出荷される牡蠣なのですが、
(こちらの検査がまた、結構なお値段なのだと知り驚きました)
私達の元へ届くまでの道のりには沢山の行程が
踏まれている事を、受講者の皆さんは知る事が出来たのではないでしょうか。

さて、話はこれだけではありません。

宮城県は東日本大震災の大津波による影響で
集落や施設が壊滅的な被害を受け、
牡蠣の生産者やワカメの生産者が
半分以下にまで激減してしまったそうです。

その結果、牡蠣の生産量も年間4千トン(剥き身)
あったものが震災で500トンまで激減したそうです。
(現在は1千700トンまで生産が回復)

が、ここで新たなチャレンジが始まります。

それは環境に配慮した養殖を行う事。

震災前は過密養殖していた場所の間隔を開け、
施設台数を震災前の3分の1までに削減したそうです。

これはすなわち「生産量が減る」という事を意味するため、
生産者からの反対も強かったそうなのですが
行った結果、品質が上がり、そのお陰で
所得も向上したそうです。(労働時間も短縮されたとの事)

更に2016年4月には宮城県志津川支所戸倉牡蠣部会の
「戸倉っこかき」が持続可能な漁業が認められ
日本初のASC認証を取得。
(ASC認証:養殖水産物に対するエコラベルの事)

更にはFSC森林認証も取得し
(FSC認証:適切な森林管理を認証する制度)
海と森の認証をもった唯一の自治体として
ラムサール条約に登録されているそうです!

これは宮城県の誇りです。

綺麗な海は森の管理が欠かせません。

山や森の栄養分が海に流れて行くからです。

これからも末永く
自然の恵みを頂き続けるという事は
責任をもってその環境を守っていく必要があります。

それは生産者だけの話ではなく、
私達1人1人にも責任があるという事です。

生産者の方々は本当に頑張っていて
その頑張りは私達が想像するよりもずっとずっと
ハードな事が多く(養成講座でお話を聞けば聞くほど
私は頭が下がります)、では私達に何が出来るのかと言えば
頑張っている生産者の方から買う位しか出来ないけれど
でも改めてここで考えてほしいのです。

「あなたは誰から物を買いますか?」

買うという行為はその先にある生産者を
応援するという行為です。

美味しいだけではなく環境にも配慮している牡蠣、
応援したいですね。











by touhoku_syokuiku | 2019-10-19 12:58 | 食育コンダクター養成講座 初級