12月7日に11回目の養成講座が行われました。
前回に引き続き、米沢郷牧場の伊藤幸蔵さんに
畜産についてのお話をして頂きました。
米澤郷牧場では美味しい鶏肉を生産しています。
で、鶏を育てている上で大切にしている事があり、
それが
・全飼育期間、無薬飼育を行っている
・鶏舎は開放型で飼育を行っている
・飼料にもこだわり、鶏を健康に育てている
・アニマルウェルフェアを重視している
の4つ。
これは本当にすごい事なのですよ。
無薬飼育を行っているという事なのですが
畜産の世界は今、家畜が「薬漬け」の状態
なのだそうです。
が、これは「何を先に大切にするか」で
変わってくる、と伊藤さん。
どういう事かというと、「儲け」が先に
あったら薬を使わずにはいられないのだそうですが、
鶏が「健康でいられるには?」という事が先に
あったら、その対処の仕方は変わってくるとの事。
米沢郷牧場では、鶏が「健康でいられるには
どうするか?」を考え、無薬で育て、しかも
無薬でも殺さないで育てる、を優先した結果
今があるそうです。
(ちなみに鶏を健康的に育てるには
腸内環境をよくする、そして運動だそうです。
人間と一緒だー!)
今は飼料米も作り、トウモロコシを減らして
米を与えているそうなのですが、米はトウモロコシより
タンパク質が少ないのでその分大豆を増やさなければ
ならない。
けれど、遺伝子組み換えでない大豆は高い・・・などなど
頭が痛い部分が多々あるそうなのですが、
それでも日々「今出来る事は何か」を実践されている
姿が想像でき、頭が下がる思いでした。
そして畜産に関わる怖いお話も。
家畜は基本、薬漬けで育てられて
いるそうなのですが、なんと
国内の鶏肉の半数以上が抗生物質の
耐性菌を持っている事が分かったそうです。
これは・・・本当に怖い事です。
実は私達、間接的に抗生物質を摂取している可能性が
高く(可能性が高い、というよりほとんどの人が摂取)
それは家畜に残留した抗生物質。
抗生物質は使い方をしっかりすれば
人の命を救ってくれる大切な薬です。
だからこそ怖いのが、その抗生物質が
効かないとういう事態。
耐性菌を持つ家畜が増えるという事は、
その先にその肉を食べる人間の存在が
あり、それはすなわち、家畜と同じ運命を
たどる人間の姿が時間差であるという事なのではないでしょうか。
今の畜産の目指しているものは
独占と大規模化。
それが効率的で良いと思うのか、それとも
選択肢が無くなっていると思うのか
それは人それぞれだけど、選択肢が
無くなっていくのは危険である、と伊藤さんは言います。
私達消費者は岐路に立たされているようです。
生産者を守るのは誰か?
それは消費者です。
私達はどんなものを日々食べたいのか
何を守りたいのか、それを明確にし
伝え続けなくてはいけないのではないかと
思います。
この世界は私達だけのものではないし
私達で滅茶苦茶にしてもいけない。
将来の子供たちのために
今私達ができる事は何なのか、考えさせられます。
ちなみに米沢郷の商品は
一般のスーパーで買う事はできません。
何故なら、米沢郷ではお米にしても
お肉にしてもストーリーを伝えたいという
思いがあり、それを知らないとただ「高い」で
終わってしまうからだそうです。
交流し、伝え、そして分かってもらえる人に食べてほしい。
そういう思いから、スーパーでは扱わないのだそうです。
もし、米沢郷のお米やお肉を食べたいと
思ったら、扱っている無店舗型の生協に
入る事をお勧めします。
本当に美味しいですから!